今日は4/29の昭和の日ですね。ぼくの会社は今日も営業はしていますが、今週から交代での出勤になりました。
手を洗いすぎて消毒液まみれで皮膚が割れております。
パソコンのキーを叩くたびに割れた指先にきつい痛みが走りなんとも言えぬ刺激です。
朝も奥さんと朝食を食べながら話していたけど、先進国の感染拡大も問題ですけど、発展途上国の人々が今後どの程度の先進医療の恩恵を受けれるかでこのコロナの問題の行く先が見えそうですね。
しかし日本の政治がひどすぎる。おそすぎるわ。
まあ、小人の叫びですが、選挙でぎゃふんと云わせてやりますわ。
さて今回はれんくんのお話です。レン君の語りですすめてもらいましょー
独りぼっちで啼いた朝
のし のし
のし のし
こんちは。ぼくレン君。ぼくはいつも、のし、のし、と歩いてます。横向いたり、後ろで音がしたらビクッてして、またのし、のし歩きます。
今度の夏で9歳になるんです。ぼくがにいちゃんのとこに来たのも暑い暑い夏が始る頃。
今は大家族になったけど、最初はにいちゃんと二人での暮らし。赤ん坊の頃は一日に何度か心配して帰ってきてくれたけど、にいちゃんの仕事が忙しくなってからはぼくは朝ににいちゃんが出かけてから夜までずーーっと独りぼっち。
「れん、いってくるで」
そう言って、にいちゃんは毎日玄関で見送るぼくの事を抱きかかえてから仕事に出かけた。
淋しくて淋しくて、毎朝啼いたんだ。
仕事に出かけるのをぼくはいつも邪魔をした。
背中に飛びついたり、足を噛んだり。玄関のドアの前で動かなかったり。
にいちゃんが、帰ってきたらすぐに分かった。だからいつも真っ暗な玄関でにいちゃんを待っていた。
「れん、ただいまー。今日は何してたん?」
毎日、毎日、今でも変わらずにいちゃんはぼくにこう話しかけるんだ。
本当に大事に大切にしてくれて一緒に居るときは絶対に離れたくなかった。男の子なのに、にいちゃんとずっと引っ付いていた。たまに放り投げられたけどね^^
「れん、お友達ほしいか?」
にいちゃんはぼくがこの家に来てから1年ぐらいした頃によくこんなことを話しかけてきた。
お友達は今まで居なかったし、それがどんなものかも知らなかった。にいちゃんと二人だけの暮らしだったから・・・。
「女の子がええか?それとも男の子?」
「まあ、すぐにやなくてもかまへんか」
「どこかに可哀そうな子が居ってな縁があったら、レンのお友達になってもらおか」
ぼくが窓辺から外を眺めていたり、ベッドで一緒に寝ていたりしたらいつもそんな話をしていた。
お友達?それってどんなの?
ぼくはにいちゃんが朝に仕事に行くと淋しかったの。
いつもいつも独りぼっちで待ってた。まだかなあ、もう帰ってくるんかなあて。
そうしてぼくが二度目の夏を迎えたころ、ぼくとにいちゃんの暮らす家にぼくの初めてのお友達が来たんだ。
「れんくんと遊ぶのはまだうんと先やけど、れんくん、赤ちゃんで女の子やから大事に大切にしてあげてな。すぐに一緒に遊べるからな」
にいちゃんは、毎晩ぼくを抱きかかえてそうぼくに話をしていた。
お部屋のドアを向こうでいつも小さな鳴き声が聞こえていた。
話しかけても、いつも「こわいよー」しか言わなかった。けど、すごくかわいい声だった。早く会いたかった。
ベランダの窓からその子が見えた。白い小さな小さな子だった。その子もぼくの事を見つけて網戸に顔をこすりつけて見つめて啼いていた。
「もう我慢できんのやなレン?」
ある日の晩ににいちゃんは、ぼくを抱きかかえてそういった。
ぼくの、ぼくの初めてのお友達に会いたかった。
可愛い可愛い白い子と遊びたかった。
「大事にするんやぞ」
にいちゃんはそう言ってぼくと白い子を隔てていたドアを開けてくれた。
「んなぁー」
ドアからにいちゃんの足元を潜り抜けてその子は勢いよく出てきた。
それがぼくとみゅうちゃんの初めての出会いだった。
ぼくのお友達。ぼくの可愛い可愛い妹。ぼくの大事な家族。ぼくが護るべき子。
ぼくはその日から、その子と常に一緒に居る。どんな時も一緒。最近は煙たがられて逃げていく。でもぼくは、みゅうちゃんをいつも護るの。
ぼくの大事な大事なはじめての友達だから。
にいちゃんが愛するみゅうちゃんだから。
ぼくは大きくなったけど、いつまでもにいちゃんのコドモであります^^
by れん